気象と統計力学(R2)

R2 新しい力学系の圧力

2.  降水のパラメータSR

定義より量子統計のパラメータSRは、
$N_A=\displaystyle\frac{N_A+N_B}{S_R}$
粒子数Nを降水量Qに変換すれば、降水と大気の降水量は等しいと仮定しているから、mを分子1個の質量として、
$(S_R-1)Q=\displaystyle\frac{m_A}{m_B}Q$
従って、Mを分子量とすると、
$S_R=1+\displaystyle\frac{M_A}{M_B}$
          
MAを水分子の、MBを乾燥空気の分子量、数値は小倉(1995)の標準的な教科書2)による、とすれば、
$M_A=18.02$
$M_B=28.96$
それぞれのパラメータは、
$S_R=1.622$
$S_K=1.3835$
$S_L=0.80385$
$\displaystyle\frac{\Delta C_K}{C_K}=1.19174$              

SRの理論値は1.652であった。数%の誤差を水蒸気によるものと考えると、新しい力学系の圧力Pと温度Tが定まる。


3. 系の分子論的圧力の設定

数%の誤差の原因を降水の水蒸気によるものと考える。粒子数は圧力に比例するから、
$S_R=\displaystyle\frac{N_A+N_B}{N_A}$
より、
$S_R=\displaystyle\frac{P_A+P_B}{P_A}$
水蒸気圧Pを考慮とすると、
$S_R '=\displaystyle\frac{P_A+P_B+P}{P_A}$
従って、
$\displaystyle\frac{S_R}{S_R '}=\displaystyle\frac{P_0-P}{P_0}$
Poを標準大気圧101325 pa、SR=1.622、S'R=1.652とすると、水蒸気圧Pは、
$P=1840$ pa

このP=1840 paは分子論的な水蒸気圧である。小倉の標準的な教科書3)では、1840paはほぼ16℃の飽和水蒸気圧である。次のtetensの式(1930)を用いると、16.19℃となる。
$P=6.1078*10^K$ (hpa)
$K=\displaystyle\frac{7.5T}{T+237.3}$ T(℃)

また、飽和水蒸気圧Pを新しい力学系の圧力と考えると、降水は仕事をした、と考えることもできる。

GとFを新しい力学系のギッブスの自由エネルギーとヘルムホルツの自由エネルギーとすると、G=F+PVより、
$\displaystyle\frac{S_R}{S_R '}=\displaystyle\frac{F}{G}$
また、パラメータSRが、1.652から1.622へ変化することによって、量子効果が、1.1974から1.19174へ変化する。量子効果の変化によって、次の式が成立する。
$e^{0.4789}=1.622\displaystyle\frac{1.19174}{1.1974}$    9)

この式は、パラメータαと量子効果のパラメータSの関係を、
$\alpha=\displaystyle\frac{C_R}{S_R}$              10)

とすると、αを一定として、9)式が得られる。10)式は後程導く。従って、誤差を水蒸気によるものと考えると、Sが1.652から1.622に変化し、それに伴う量子効果の変化からパラメータαλ=0.4789が導かれる。
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