気象と統計力学(R3)

R3  状態方程式とαの設定

4. 気体の状態方程式

古典理想気体へ新しい力学系を適用して、気体の状態方程式を導く。

古典理想気体の場合、粒子の数をNとして、粒子が同じとすると、区別できない粒子の場合、Γを分配関数、Γ1を分子分配関数とすれば、次の関係4)がある。
$\Gamma=\displaystyle\frac{\Gamma_1^N}{N!}$
$\Gamma_1=\sum_i e^{-x_i/\lambda}$
スターリングの公式、ln(N!)=NlnN-Nを用いて、
$\ln \Gamma=N(1-\ln\displaystyle\frac{N}{\Gamma_1})$
ここで、
$\ln\displaystyle\frac{N}{\Gamma_1}=\alpha$           11)  
とおくと、ヘルムホルツの自由エネルギーFの定義より、
$F=-k_{\varepsilon}\lambda\ln\Gamma$
より、
$F=-Nk_{\varepsilon}\lambda(1-\alpha)$
G=F+Nkελより、
$G=\alpha Nk_{\varepsilon}\lambda$
G=F+PVより、
$PV=Nk_{\varepsilon}\lambda$             12)

新しいパラメータ、kεとλを用いた気体の状態方程式が得られる。


5. 分子分配関数の導出

11)式の分子分配関数Γ1とパラメータαを求めて、12)式からkεを決定する。

分子分配関数 は、
$\Gamma_1=\sum_i e^{-x_i/\lambda}$        13)
降水量xとエネルギーεの関係は、1)式より、
$\varepsilon=k_{\varepsilon}x$
1粒子量子状態のエネルギーεは次式だから、
$\varepsilon=\displaystyle\frac{h^2}{2mL_{\varepsilon}^2}n_R^2$
両式を13)式に代入して、nRで0から∞まで積分すれば、分子分配関数Γ1が得られる。
$\Gamma_1=\sqrt{\displaystyle\frac{m\pi L_{\varepsilon}^2 k_{\varepsilon}\lambda}{2h^2}}$        14)

Lεとkεを求めれば分子分配関数Γ1が求まる。


6. αの設定

ギッブスの自由エネルギーは、
$G=\arpha Nk_{\varepsilon}\lambda$
従って、
$G=2\alpha E$            15)

新しい力学系の次の2つの命題から、パラメータαを設定する。
    1.系は2重構造である。
    2.系は量子統計を示し、地域は古典統計を示す。

1.の命題から、部分的には<x>がC個集まって、
$Q=\langle x\rangle C$
系全体では、同じように、QがC個集まって、添え字のλは降水量表示である、
$G_{\lambda}=QC$
2.の命題から、添え字のRは量子効果がかかっている、
$Q=\langle x\rangle C$
$G_{\lambda}=QC_R$          16)

従って、15)式と16)式から、パラメータαは、
$\alpha=\displaystyle\frac{C_R}{2}$

新しい力学系ではCRは次のように表される。
$C_R=\displaystyle\frac{C_R}{S_R}+C_R\displaystyle\frac{2\Delta C_R}{C_R}$
上式をエネルギーEで表せば、E1を降水のエネルギー、E2を大気のエネルギーとすれば、Emix=E1+E2として、
$E_{mix}=\displaystyle\frac{E_{mix}}{S_R}+E_{mix}\displaystyle\frac{2\Delta C_R}{C_R}$
両式とも右辺第1項は降水であり、第2項は大気である。古典力学系では、E1=E2であるから、SR=2であり、後程古典統計力学系で検証する、新しい力学系ではE1とE2は等しくないから、SR=1.622であり、降水の部分を取り出すと、10)式のパラメータαが導かれる。
$\alpha=\displaystyle\frac{C_R}{S_R}$ SR=1.622     17) 

αを一定とし、αλ=lnSRとすると、この式は付論後編で導く、9)式が導かれる。

 

0

このエントリーをはてなブックマークに追加