気象と統計力学(P5)

P5 量子効果のモデル

8. 量子効果のモデル

降水と大気のエネルギーの比を求めるために、3個のパラメータ、SR、SK、SLを設定する。降水のエネルギーE1が古典統計を、大気のエネルギーE2が量子効果を、E1+E2が、つまり新しい力学系のエネルギーが量子統計を表わすと仮定すると、降水と大気のエネルギーの比が数値的に求まる。SRは量子統計を、SKは古典統計を、SLは降水と大気のエネルギーの比を表すパラメータである。

まず、降水回数を用いて量子効果を表してみる。量子統計による降水回数をCR、古典統計による降水回数をCKとし、次の関係を満足するパラメータSKを導入する。
            $C_R =C_K +\Delta C_K$
            $C_K = \displaystyle\frac{C_R}{S_K} +\displaystyle\frac{\Delta C_K}{S_K}$
               
図1.に上式の関係を示した。


ここで、
             $2-S_K =\displaystyle\frac{1}{S_R}$
             $\displaystyle\frac{C_R}{C_K}\Delta C_K = \Delta C_R$
とすると、次の関係式が導かれる。
             $C_R = \displaystyle\frac{C_R}{S_R} +2\Delta C_R$.......23)
mを水分子1個の質量、Nを水分子の粒子数とすれば、
             $\displaystyle\frac{\lambda}{2}C=mN$

系はλもCも一定で、既知であり、mも一定で、既知だから、23)式の降水回数Cは容易に粒子数Nで表すことができる。粒子数で量子効果を表すと、2種類の気体を取り扱うことができる。


9. パラメータSLの導入


AとBの2種類の気体を考える。それぞれの粒子数をNA、NBとする。2種類の気体の間に、パラメータSRと量子効果ΔCK/CKを介して次の関係があるとする。つまり、気体Bは混合気体の量子効果となっている場合である。23)式より、NR=Nmixとして、
              $N_{mix} = \displaystyle\frac{N_{mix}}{S_R} + 2\Delta N_{mix}$   24)
NAとNBは5)式より、
              $N_{mix} = N_A + N_B$
              $N_A =\displaystyle\frac{N_{mix}}{S_R}$
              $N_B=2\Delta_{mix}=N_{mix}\displaystyle\frac{2\Delta C_K}{C_K}$mixは新しい力学系の粒子数表示である。Nは5)式の粒子数表示である。新しい力学系において、気体Aが5)式で表されるときは、気体Bは24)式によって、混合気体の量子効果となる。

パラメータSRとSK及び量子効果ΔCK/CKは次の関係である。
              $\displaystyle\frac{1}{S_R}=1-\displaystyle\frac{2\Delta C_K}{C_K}$
              $S_K=1+\displaystyle\frac{2\Delta C_K}{C_K}$
いま、次のパラメータSLを導入する。
              $2S_L = \displaystyle\frac{N_A}{N_B}$
従って、パラメータSLと量子効果の関係は次のとおりとなる。 
              $2S_L = \displaystyle\frac{1-\displaystyle\frac{2\Delta C_K}{C_K}}{\displaystyle\frac{2\Delta C_K}{C_K}}$
SR、SK、SLをエネルギーを用いて表すと、E1を降水のエネルギー、E2を大気のエネルギーとして、
              $S_R = 1+\displaystyle\frac{E_2}{E_1}$
              $S_K = 1+ \displaystyle\frac{E_2}{E_1+E_2}$
              $S_L = \displaystyle\frac{E_1}{2E_2}$
量子効果、ΔCK/CKが求まると、SR、SK、SLを計算するとこができる。

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