気象と統計力学(P6)

P6  量子効果の数値計算

10.  量子効果の数値計算

SR、SK、SLを求めるために、E1=1とすると、E1+E2は1以上だから、E1を古典統計、E2を量子効果、E1+E2を量子統計と考える。

降水のエネルギー分布は、古典統計の場合、自由度1のボルツマン分布と仮定して、
                    $f(x) =\displaystyle\frac{1}{\sqrt {\pi} \sqrt{\lambda}}x^{-1/2}e^{-x/\lambda}$             25)
降水と大気の新しい力学系のエネルギー分布は量子統計の場合、自由度1のボーズ・アインシュタイン分布と仮定して、フェルミ・ディラック分布を仮定すると量子効果が計算できないことを後程示す、
                    $f(x)=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{\pi}\sqrt{\lambda}}x^{-1/2}\displaystyle\frac{1}{e^{x/\lambda+\alpha_\lambda}-1}$                 26)
25)式と26)式から平均降水量は次の9)式ととなり、8)式と10)式が導かれる。
                    $ \langle x \rangle =\displaystyle\frac{\lambda}{2}$
26)式のαλを求めるために、26)式を次のとおり変換する。
                    $f(t)=\displaystyle\frac {2}{\sqrt{\lambda}} \displaystyle\frac{1}{e^{t^2+\alpha_\lambda}-1}$                     27)
                    $t^2 = x/\lambda $
自由度は1だから、
                $Q=\displaystyle\frac{\lambda}{2} C$
                      $\displaystyle\frac {\lambda}{2}C =\int_0^\infty \lambda t^2 f(t)dt \int_0^ \infty Cf(t)dt$ 
上式はエネルギーの比SLを含む。量子効果はエネルギーの比によって現れることを、後程示す。
λとCは一定だから、 従って、
                       $\displaystyle\frac{1}{2}=\int_0^\infty t^2f(t)dt\int_0^\infty f(t)dt$
27)式のtを0から∞まで積分するとf(t)=1.1974となる。従って、量子効果をΔCK/CK=0.1974とすると、それぞれのパラメータの値は次のとおりとなる。
            SR          1.652
                            SK            1.395 
                       SL    0.76646

E1=1とすると、各パラメータの値は次表のとおりとなる。

          表1.E1=1の時のパラメータの値 
                   E2        0      0.652         1
                   S       1      1.652         2
                   SK        1      1.395         1.500
                           SL    無限大  0.76646     0.500
                  ΔC/C      0      0.1974       0.25 
量子効果は降水と大気の観測値の中に、理論的な数値計算では約20%も存在することとなる。これは、大気と降水の観測値の中に目視して十分確認できる数字である。


11. 降水日数Aと降水回数Cの設定

SR、SK、SLが求まると、理論的な降水日数Aと降水回数Cが求まる。SR、SK、SLの関係は、Aを雨の降った日の年間の個数、Cを一雨の年間の個数とすると、降水と大気の継続時間分布の解析、及び降水量の揺らぎの解析から次のようになる。この関係式は後程導く。
                          $S_L^2 \displaystyle\frac{A}{C} = \displaystyle\frac{S_R}{S_K}$                                28)
A=365.25/3=121.75とすると、
                              A          121.75
                              C            60.40
AとCの理論値は、A=121.0、C=59.93であるが、降水と大気の継続時間と量子効果の考察によって理論値が求まるから、とりあえず、A=121.75として議論を進める。誤差が1%以下であるから、検証に差支えはない。付論前編にAとCの理論値の求め方を示した。中国、四国、九州、沖縄も含めた、県庁所在地の、17か所の観測所において、過去15年間の全平均値は、A=120.1、C=60.19, であった。ほぼ一致していた。後ほど、検証において、理論値と観測値の比較検討を行う。

降水と大気にエネルギーの比があると、降水と大気の継続時間が短くなり量子効果が現れ、系は2重構造となることを次に示す。

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