気象と統計力学(P12)

P12  降水量分布の検証



18. 降水量分布の検証


中国、四国、九州の17箇所の観測所の過去15年間の観測値から得られた系全体の降水量分布と39)式の3種類の量子統計と、40)式の古典統計を表5.と図4.に示した。

40)式の古典統計は、図4.では、39)式の量子統計のS=1.652とした場合と重なっている。40)式の古典統計は39)式の量子統計のS=1.652とした場合と平均値以下の降水量では等価であると考えることができる。SR=1の量子統計は、SR=1.652の量子統計から考えれば、降水回数を一定として、平均降水量が減少し田と解釈することができ、古典統計から考えれば、平均降水量を一定として、降水回数が増加したと解釈することができる。

観測値は、図4.から分かるように、12mm以上の降水量では、39)式の量子統計のS=1とした場合と一致している。正確には、日平均降水量以上である。付論後編に計算して、示した。6mm当たりの降水量で39)式の量子統計のS=1.652とした場合を通過し、4mm以下の降水量では39)式の量子統計のS=2とした場合の付近にあることが分かる。付論後編で、降水量分布を、一般化された量子統計を用いて数式化した。




観測値が39)式の量子統計のS=1とした場合から12mm以下の降水量でずれている理由は次のとおりと考えられる。


観測値は本来は、39)式の量子統計のS=1とした場合と一致しているはずであるが、系が2重構造となっており、古典統計の条件に縛られるから、降水量の小さい所で、S=1の量子統計からずれ、降水量の大きい所では、S=1の量子統計と古典統計は一致しているから、降水量の平均値が1.652^2λ/2となるように、降水量の平均値がλ/2のS=1の量子統計から、降水量の平均値が大きくなる方へずれる、と考えることができる。従って、4mm以下の降水量では、観測値は降水量の平均値が2^2λ/2であるS=2の量子統計の付近となる

降水量分布の解析によって、SRが1.652となるのは、SR=1の量子統計が存在し、古典統計と共存しているためだと分かる。

この降水量分布の傾向は17箇所の観測所の降水量分布においても同じであった。

系の時間が短くなることによって量子統計が現れたと同じように、系の長さが短くなって量子統計が現れることが分かる。本論後編では、S=1のボーズ・アインシュタイン分布を量子統計と呼ぶこととする。

 

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